"累"のご紹介
定期的にお気に入り作品を紹介していくシリーズ、今回は最近の有名作品ですよ。
ちなみに前回の記事はこちらです。
松浦だるまさんの"累"です。”かさね”と読みます。
最初に手に取ったのは表紙の絵柄が好みだったからです。
全く情報も集めていない状態で本屋さんで出会ったら仕方ないですよね!!
気になったので「とりあえず買ってみよ!」と読み始めたらすっかりハマってしまいました。
美しい女性としっかりした塗り、大変好みです…!!
ちなみに、1巻より2巻、2巻より3巻…とどんどん絵が読みやすく、美しく、魅力的になっていますのでまとめ読みで変化を楽しんでいただけると思います。
本作品は"醜さ"と"美しさ"そして"演じること"が軸となっています。
美しい女と醜い女。そしてそれを取り巻く家族や彼女らを利用しようとする人、別の存在を重ねてしまう人などの人間模様が描かれている作品です。
醜さ/美しさというのは見た目の美醜ももちろんですが、内面、思想も含みます。
思想の美醜って言うと論争が起きてしまいそうですが、スタンスの違いって言ったほうがわかりやすいですね。
それを刺激的に表現している作品です。
対極なキャラクタがたくさん登場します。対極なのに根っこが似ている部分あったりと、キャラクタの関連性やコントラストが効果的に描かれています。
お芝居については疎いので、詳しい方が読むとまた捉え方が変わるのかもしれませんね。
漫画を読んでいるというより、ビジュアルノベルを読んでいるような気持ちになる作品です。少し不思議な感覚です。
話の展開もかなり激しく、常にドキドキしながら読み進めてしまいます。
私は1巻ずつ首を長くして待って読んでいるのですが、もし今初めて一巻から読み始めたとしたら時間も気にせず一気に読んでしまうと思います。
単行本のあとがきに書かれていたのですが、本作品は”累ヶ淵”をモチーフとしているらしいです。
このキーワードでピンとくる方もいらっしゃるんではないでしょうか。
確かに共通点を探すとちらほら見つかります。
個人的に嬉しかったのはサロメが題材になっている話があるんですよ。
私サロメが好きで文庫本と、"英国ロイヤル・オペラ2008"のDVDも見ました。
サロメが絡む部分はそんなに長いわけではありませんが、大変濃厚になっていますよ。
特に気に入っている表紙を集めてみました。(絞ったのに多いのはご愛嬌ということで)
瞳と唇の美しさよ…!
そういえば、実写映画化が決まっていますね。
公式サイトを少し見ましたが、累役が綺麗すぎませんか?
そして、ニナ役はちょっと普通感があります…。もっと落差がほしかったです…。
サイトを見ているだけだと、実写映画化はしない方がよかったのでは?と思いますね。
正直アニメ化もちょっと…この作品は小説までが限界だというのが個人的な考えです。
でもキャストが良い舞台でのお芝居なら観に行きたいです!!
テーマ的にピッタリですからね。
最新刊は13巻です。
どんどん好みの絵に進化しているのが…最高です。
累の母いざなの話は小説となって刊行されています。
購入済みなのですが、まだ読めていません。
興味のある方はこちらも合わせて読まれるといいかと思います。